冷蔵庫と洗濯機を買った話(搬入・レビュー編)

7月某日

 

午前指定で冷蔵庫と洗濯機が運ばれてくる。

冷蔵庫の中身はできるだけ消費しなくてはいけなかったのに、うっかり忘れていてわりかしぎゅうぎゅう。まあ仕方ない。これを機にいつのものかわからない冷凍食品や調味料をバシバシ処分し、残ったものを保冷バッグとビニール袋にいれる。クーラーボックスもないので、ぎりぎりまで冷蔵庫にいれて、到着直前に出すことにする。

 

心配していた冷蔵庫のサイズは、意外と普通におさまった。運んできたお兄さんたちがやや肉体派な雰囲気の人たちだったので、ここでキャンセルするのはまあまあハードルが高いなあと思っていたのです。

洗濯機も、設置している最中に(思ったより大きいけどこれ大丈夫?)とひやっとしたが、無事設置完了。

どちらも今までのより大きいので最初圧迫感あったけどすぐに慣れた。

 

はやく冷蔵庫にものをいれないと!と思うが、お兄さんが「4時間くらいで冷蔵庫が冷えるので、食品はそれからいれてください」という。4時間!? あと1時間半で外出してしまうんだが・・・。「すぐいれたらだめですか?」と訊くと、「いいですけど、冷えるのにもっと時間がかかりますよ」と言われる。うう・・・。やむなく1時間半で投入することに。外に出しとくよりマシだろう。すでにアイスはドロドロに溶けているが、とにかく放り込む。

 

で、現在ニュー家電たちがきて2週間が経つので、簡単にレビューしてみようと思います。

 

まず冷蔵庫。

 

*いいところ

・なにがいいって、自動製氷があること。今はファミリー向けだと今はたいがいデフォルトでついてるのだけど、今まで使ってたのはついてなかった。氷は製氷皿に水をいれて、バキバキ落としてつくるタイプだった。奥の方にはいつも永久凍土みたいな感じで氷が固まっていた。

今のは、そんなの知ってるよ、って感じだと思いますが、冷蔵庫の中にある水受けに水をいれるとカラコロと氷が製氷トレーに溜まっていく。バキバキやってつくったのと違ってきれいな形だし、おしゃれな氷用のスコップもついてる。(前のは手でつまんでた)

説明書を読むと、「製氷用の水受けは週に1回洗ってください」と書いてある。へぇ・・・前の冷蔵庫で製氷皿とか洗ったことなかったけどやばかったのかなあ。ちなみにまだ洗っていない。

 

・野菜室と冷凍室は、もう完全に今のが使い勝手良い。容量がでかいのと、整理用の引き出しトレーがついてるので、どこになにがあるかひと目でわかる。昔みたいに、ぎゅうぎゅうにつめすぎて下の方でつぶれたみかんとか、カッチコチに凍って霜の降りたウインナーとか出てこない。

 

・新しい。

 

*だめなところ

・冷蔵庫のポケットは正直前のほうが容量が大きかったし、片開きのほうがまとまってて取り出しやすかった。今回は両開きで、両サイドに分けて入れるので、使いづらい。が、まあ慣れでしょう。100均グッズなどで最適化したい。

 

・ドアのしまりがわるい。ちゃんとしめないと半ドアみたになってる。すぐにピーピーいって教えてくれるけど、購入5日後にして半ドアのまま2時間くらい放置してたらしく、冷蔵庫の中を結露でべしょべしょにしてしまった。

 

洗濯機

*いいところ

・いいところっていうか、もうみんな買ったほうがいいってくらい乾燥機便利。仕事から帰ってきて(17時)、ベッドのシーツをはがしてぽいぽいっといれる→洗濯&乾燥を3ターンすれば6時間でシーツ類全部洗えて乾燥できちゃう。すごい。雨とか全く関係ない。この夏はしこたま洗濯したるでえ。

 

・タオル類がふわふわになる

 

・自動投入、思ったよりめっちゃ便利。洗うものをぽいっといれて、ピ、で終了。毎回感動しちゃう。

 

*気をつけないといけないところ

初日に洗濯→乾燥をノンストップでするモードでやったら、コットンのブラウスがこれでもかってくらいシワシワになっていた。シャツとかトップスはわりとシワになりやすいので、今は洗濯のみのモード→シワにしたくないものは取り出して乾燥(取り出したやつはハンガー干し)にしてます。

 

*だめなところ

・タオル類はふわふわになるが、やはり痛みやすい気がする。毛足がながいものとかすぐ糸がピローンて出てくる。

 

ということで衝動買いにしては非常に満足度の高い買い物でありました。

あと、よっぽどこだわりなければ家電は量販店で買うのがいいのでは?と思った。ネットの方が底値で買えると思うけど、実物をみないと気にいるかどうかってわからないのと、店舗もかなり値引きしてくれる。それから、いい店員さんに当たればこっちの細かい要望をきいてそれならこっちの方が、って提案してくれる。下調べはできるけど、しなくてもネットで得られる程度の知識はその場でさくっと説明してくれるし、引取保証その他も多少のお金で手間なくできるし、あれをネットで自分でやってたら、かなり時間も手間もかかってただろうな~と思う。やったことないから知らんけど。

 

ちなみに現在のうちの冷蔵庫と洗濯機はこちらになります。

冷蔵庫:NR-FV45S5

https://panasonic.jp/reizo/products/NR-FV45S5.html

 

洗濯機:NA-VX8900L/R

https://panasonic.jp/wash/product/na_vx8900.html

 

冷蔵庫と洗濯機を買った話(購入編)

冷蔵庫と洗濯機を買った。

色々理由はつけられるけど、そんなのは後付けで、完全に勢いと欲望のままに購入した。

 

今まで使っていた冷蔵庫は、結婚して二人暮らしを始めたタイミングで夫の先輩が離婚し、ファミリー用の冷蔵庫が不要になったとのことで譲ってもらったものだった。普通に縁起悪い感じするが、引っ越しやら結婚式の準備やらで節約したかったのでありがたく頂戴した。

新居に運ばれてきた冷蔵庫は、それはそれは汚くて、やっぱり新しいのほしい・・・と思いつつ、100均でメラミンスポンジとアルコール除菌スプレーを買ってきて、夫とふたりでゴシゴシ磨いた。野菜くず、髪の毛、油のべたつき、シールをはがした跡、そんなあらゆる汚れがこびりついていた。がんばって汚れはとれたが、臭いもすごくて、再び100均に走って脱臭炭を買い、1ヶ月ほどいれておいたらようやく臭いも気にならなくなった。

息子が生まれるまでは仕事をバリバリやってたので、料理も週の半分すればいい方で、冷蔵庫の中には賞味期限がきれたものや腐りかけたり、ひなびた野菜が常時入っていた。

息子が生まれて冷蔵庫がフル稼働するようになると、とたんに新しい冷蔵庫がほしくなった。7daysパーシャルの西島秀俊を見てはうっとりし、杏ちゃんと若林のCMを見ては「ニクいな~」と思ったりした。

が、正直冷凍保存や作り置きをまめにやるわけでもなく、完全にオーバースペックなのはわかりきっていた。それにうちの台所が狭すぎて、そもそも設置できるサイズで価格コムの検索をかけるとヒットするのが4件、とかだった。希望スペックもいれたら0件。

定期的に(ボーナスでたときとか)冷蔵庫を買い換えるぞ!→価格コム検索→うちにぴったりの冷蔵庫などないのだ・・・を繰り返して3年がたった。

 

 

その日、夫と私と息子は郊外にあるラーメン屋に車で向かっていた。久しぶりに洗濯機のカビ取りをしたら何回とってもカビが浮いてきた、しかもずっと雨続きで(その日も雨だった)部屋干しにもうんざりしている、全然乾かないし、生乾きみたいな臭いもする、という話を夫としていた。そこからふと、洗濯物を干すのに年間どれくらいの時間がかかってるんだろう?と疑問に思い、計算してみた。

1日に10分洗濯物を干すのに費やしているとすると、

 

10分✕365日=3650分=60.8時間=2.5日

 

1年のうち、2日半洗濯物干してんの!?やばくない?時間のロスやばすぎない??

私も仕事を始めてとにかく時間がないので、手間はとにかく金とテクノロジーで解決したい。乾燥機だ!ドラム式洗濯機だ!!

夫はテクノロジーとか新製品大好き人間なので全く反対せず、買おう買おうということになったが、私がややテンション高めに

「なんなら冷蔵庫も買おう!今日買おう!ラーメン食べたら買いに行こう!」というと

「えっ・・・下調べとかしないの?」とやや怯んだ顔をした。

が、こういうのは勢いが大事。下調べなんて(冷蔵庫に関しては)もうさんざんしてきて、自分の理想にぴったりのものなどないということがわかっている。とにかく買う。今日決める。

 

ラーメンを食べ終え、さっそく近くの家電量販店を探す。いくつかあるが、なんとなく信頼しているヤマダ電機に行く。ここのヤマダは行ったことないけど、Googleマップで見た感じでかそうだし、きっと気に入るものがあるだろう。

行ってみると、その巨大なヤマダ電機の広大なフロアは、1階の半分が日用品売り場、残りの半分が家電コーナーだった。雨のせいもあるだろうけど、全体的に人はまばらで、店員もひまそうにうろうろしている。気持ちがしぼみかけるが、絶対に今日買うという強い意志をもって冷蔵庫売り場に行く。

 

あてもなく見ていると、実直そうな店員が話しかけてくる。どんなのをお探しですか?と聞かれたので「450L前後、奥行き60cm、幅65cm以内のもの」と伝えると、「そのサイズですと、この3つくらいですかね・・・」と提案される。早々に3つに絞られてしまった。

A:日立の最新(30万)、B:日立の型落ち(18万)、C:シャープの型落ち(20万)。

どれもそれぞれに機能的で、ピカピカしてて、素晴らしい。が、なんか刺さらない。端的に言えば色がベージュとかグレーで気に入らない。というささってないオーラがにじみ出ていたのか、店員さんが「これは幅は少しサイズオーバーなんですけど・・・」と言って別のパナソニックの冷蔵庫を指した。パールのかかったおしゃれな白。店員さん曰く、中の棚板が強化ガラスなので頑丈、明かりがサイドにもついているので中が見やすい、野菜室や冷凍室の引き戸が軽い力で開くように作られている、らしく、その部分がめちゃくちゃささったわけではないが、初対面だけどこの人気が合いそう、みたいな感じで、「これにします」と即決していた。幅はサイズオーバーしてるけど、まあなんとかなるだろう。ならなかったら、最悪設置のときにキャンセルしてもいいらしい。

店員さんが「わかりました、価格下げれるか見てきますね」と立ち去ろうとするので、「あっ、洗濯機も買います」とひきとめる。そのままその店員さんが洗濯機もアテンドしてくれるらしい。名札に「白物担当」と書いてある。「洗濯機はどんなのをご希望ですか?」と聞かれたので、「乾燥機付きのドラム式、20万以下で」と答える。

シャープと日立とパナソニックの3つの機種をそれぞれ説明してもらう。冷蔵庫のときはほぼ無関心だった夫は、ややファッションオタクなので「服がいたまないかどうか」をしきりに気にしている。

最終的にA:日立 B:パナソニック C:パナソニック上位機種 に絞る。

AとBは税込み20万をきるが、Cは税込みだと20万を超える。が、Cは洗剤と柔軟剤自動投入がついている。洗う水の温度設定もできる。BとCの差は3万くらい。

自動投入か~。どう思う?別になくても困らんよなあ。と夫に聞くと、そういう新しい機能は試してみるのが良い、と言うので、Aに決定する。

見積もりに行っていた店員に「Aににします」というと、「えっ、あ、そうですか。わかりました」とやや拍子抜けした様子。(Aはあわよくば的に提案していたのだと思う)

今使ってるものの引取や、設置日、保証などの話を終え、帰路につく。帰りの道中、「買っちゃったね、勢いで」「勢いはだいじだね」「持ち越したら多分買わないよしばらく」と言い合う。夫は「大きい買い物すると気分ええな」と宣い、私は「冷蔵庫はお下がり6年使ったし」「乾燥機あったほうが、シーツとかもたくさん洗濯できるし、時間の節約にもなるし」と買う正当性を説明する理由を必死で並べている。

台湾旅行③

3月15日 PM

 

部屋に戻って用意をし、ロビーに降りる。今日のツアーは十份、九份を車で巡るプライベートツアー。ガイドさんが車でホテルまで送迎してくれる。外は長袖1枚でちょうどよかったが、念の為インナーダウンとレインジャケットを持っていく。そわそわと待っていると、40代くらいのおじさんが来た。名前は黄さん。日本語は少々癖があるものの、かなり上手。トヨタ車(車種忘れた)に乗り込み、台北から高速に乗って十份瀑布という滝に向かう。十份までは1時間ほど。しゃべりが好きでない夫に変わって助手席に乗ろうかと考えるがなんとなく後ろに座った。途中で新平市というところを通り過ぎる。黄さんの自宅があるらしい。「私の家、あのへん、サヨナラ~」と言う。新平市はベッドタウンみたいなところで、ここから台北に通勤する人が多いとのこと。黄さんは日本が好きで年に1回は行くらしい。今度は東北に行きたい。北海道の温泉、よかった。大阪も行った。そんな感じのことを話しつつ到着。空を見上げるとランタンがふわふわ飛んでいるのが見える。

車を降りて滝に向かう。途中の売店で、黄さんが果物を指差し、これはグァバ、これはパイナップル、と教えてくれる。どれが食べたいかと訊かれ、食べたことないグァバと答えると黄さんが一つ買ってくれた。一緒に袋に入った謎の粉末もくれた。夫になにそれ?ときかれ、入浴剤じゃないかと答える。途中で黄さんが立ち止まり、ここからこういう道でここにトイレがあって、など説明したあと、15時40分にここに戻ってきてください、と言う。黄さんは滝まで来ないらしい。夫と息子と3人で滝へ向かう。途中、不思議な像、ありがたそうな感じの像、昔公園によくあった4人乗りのブランコ、売店などがあり、しばらく歩くと滝に到着した。あんまり激しくない、高さより横幅に迫力がある感じの滝。私は滝系ってあまり興味ないのだけど、息子はじっと見ていた。滝の前のベンチでさっき買ってもらったグァバを食べる。柑橘類みたいなジューシーな感じかと思ってたら、梨系の果物だった。シャキシャキしていて、汁気は少なく、味は淡白。息子はあまり気に入らない様子。夫とがんばって食べる。食べ終わって気付いたが、さっきもらった粉はグァバにかけるものだったらしい。どうして入浴剤だと思ったんだろうか。

 

車に戻り、次は十份へ。(滝も十份だけど)線路からランタンをとばすので有名な観光地。駐車場には野良犬なのか、大きめの犬がうろうろしていた。

黄さんについて5分ほど歩くと、線路とその両脇に土産屋がたくさん並んでいる場所についた。みんな線路に入り、ランタンをぽこぽこあげている。だいたい30秒に1回くらいの頻度でランタンがあがる。黄さんに「ここの線路は廃線なんですか?」ときくと、「廃線じゃない、電車通ります」と言う。わりとすぐに電車が来た。スピードはゆっくりで、近づくと誰かが「線路から出ろ~!」とわあわあ騒ぎ立て、みんな狭い両脇の道にぎゅうぎゅうになって電車が通り過ぎるのを待つ。轟音をたてて電車が通り過ぎるとまた線路に出てランタンをあげる。

黄さんが土産屋のひとつに入り、ランタンをどれにするか訊かれる。ランタンは4面あって、全部同じ色の1色、全部違う色の4色、さらに1面を2分割した8色がある。色が多い方が値段は高く、色にはそれぞれ意味がある、とのこと。150元の4色のにする。

台に吊るして筆で願い事を書く。「息子がすくすく育ちますように」「仕事で最高の結果を残せますように」「みんな元気で楽しく」「美好未来 萬事如意」とそれぞれ書く。最後のは書くことがなかったのでテンプレに書いてあった言葉を書いた。素晴らしい未来、全て自分の思う通りになる、みたいな意味らしい。線路に出て、ランタンのはしっこを夫と私で持つとお店の人が中に点火してくれる。思ったより熱を感じて腰がひけてしまう。3、2、1で手を放すとランタンはふわーっと浮かんでいった。あっという間に点になって、他のランタンと見分けがつかなくなる。終始を黄さんがデジカメのムービーにおさめてくれていた。見上げていると、わりとすぐに燃えて落っこちてるランタンもあった。がんばって遠くまで行ってほしい。

おもしろかった~!と興奮しつつ店に戻ると、お店の人と黄さんがちいさいランタンのストラップを指し、振るとピカピカ光る、子どもにどうかと勧めてくる。なんとなく断れず、息子にひとつ選ばせて買う。200元。ランタンより高い。

近くの売店を見てまわっていると黄さんが台湾の名物の花生捲冰淇淋というスイーツを買ってくれた。クレープにアイスとピーナツの粉をのせて巻いたもの。パクチーをいれるとおいしいらしいがこの日はパクチーは売り切れだった。なかなかいける。息子は口のまわりをべたべたにしながらすごい勢いで食べていた。

 

次は九份に向かう。千と千尋の神隠しのモデルになったと言われてるけど実際は違う、という有名な観光地。十份から30分くらいで着く。着いたときには日は落ちていて、空の端っこが少し明るいくらい。黄さんがおすすめの店、トイレの場所などがかかれた地図を渡してくれる。2時間後の19時にまたここでと言って解散する。九份は坂道と階段の多い商店街という雰囲気。お土産屋さんと食べ物屋さんがずっと続いている。息子、だいぶくたくたで歩かないので夫と交代でだっこして進む。基本的に人がめちゃくちゃ多いのでじわじわ進むという感じだが、途中で列がまったく動かなくなる。前方でなにが起こってるのかもわからず、息子を抱っこしたままぎゅうぎゅうの状態でストップ。しばらくするともみくちゃの中からオートバイが出現した。マジで意味が不明だ・・・。腕が死んだ。オートバイが通り去ると列も進み出す。急な階段を登り、黄さんおすすめの芋団子ぜんざいの店へ。おっちゃんは日本人に慣れており、日本語で「あついの?つめたいの?」ときく。肌寒いので「あついの」と答えると、「つめたいほうがおいしいよ!」と言われるがあついのを頼む。店の奥の路地を進むと薄暗いフードコートのような空間が。一応夜景も見える。そこでぜんざいを食べる。冷たいのは黄色やピンクの芋団子がインスタ映えするかわいらしいスイーツだが、あついのはぱっと見た感じただの泥水。正直まずそうと思ったが、沈んだいも団子を食べるとモキュモキュしてなかなかおいしかった。

もう少しお腹を満たしたくなり、食堂っぽいところに入る。油かけごはん(ごはんに油かけただけ)、醤油かけごはん(ごはんに醤油かけただけ)みたいな、これで金とれるんだ・・・というメニューがあっておもしろい。魯肉飯、油かけ麺を頼む。息子、謎の食い意地を発揮しルーローハンを独り占めしようとする。油かけ麺はそうめんみたいなのに油がかかっただけのもの。ラードなのか、コクがあっておいしかった。隣では店員らしい若者がスマホをいじりながら賄いを食べていた。

2時間なんて持て余すかと思いきや、混んでて思うように進めないので食べ終わると残り時間30分。ここから写真の人気スポット(急な階段に提灯がいっぱいぶら下がってる)を抜け、黄さんのところまで戻らねばならない。早足で人混みをすり抜け、一応写真も撮って時間ぎりぎりに到着。途中、高台から海を臨む夜景が美しかった。

 

ここからまた台北市に戻り、士林夜市に寄ってからホテルに戻る。息子はすでにかなりクタクタ。夫も九份では息子を抱っこしていた時間がながいので疲れている。二人を後部座席で休ませて、私は助手席に座る。私もたいがい疲れていたが、黙っているのもなんなので謎のサービス精神を発揮し、黄さんに色々話しかける。黄さんが「カナさんと、ハニムーンで北海道に行きました」と言うので、奥さんの名前がカナさんなのか?と思ったら「カナさん・・・うーん、my wife」と言うので、ああ家内のことか、随分古風な言葉を知っているんだな、と思った。

話題も尽きた頃、台北市に入った。夜景が華やかで、新婚旅行で行ったパリのことをなんとなく思い出した。あのときも、街の夜景がきれいで、ずっと眺めていたいと思った。遠くに中国風のでっかい建物がポツンと建っているのが見える。予約のときに迷ったグランドホテル台北だ。市街地とはちょっと離れたところにあるんだな。

 

高速道路を降りて士林市場に到着。黄さんが市場の名物を教えてくれる。昼にも食べたアイスのクレープ巻き、排骨(スペアリブみたいなやつ)。市場の前の交差点で車が止まる。普通に横断歩道の真ん前だけど大丈夫なのか?あわあわと荷物をまとめて降りる。45分後にまたここに来てくださいとのこと。市場に入る前に振り向くと、黄さんの車はまだ横断歩道の前に停車している。特に慌てて降りる必要はなかったらしい。

さて夜市。昼に行った臨江街とは規模も雰囲気もかなり違う。こっちはかなりお祭感がある。店というより屋台が多く、食べ物もかなりジャンキーな雰囲気。値段も張る。遊技場のようなエリアもある。黄さんが言うには、とにかく広い、このエリアはほんの一角なのであまり遠くに行きすぎないように、とのこと。何か食べたいが、とにかくジャンキーで巨大なものが多くちょっと尻込みしてしまう。気になったのがエリンギを焼いたものを売ってる屋台。あとは屋台街からは外れていて、店構えもちょっと古くさいけどやたら人が並んでいた饅頭の店。もちろん臭豆腐の店もあった。串にささっていて、なんとなくカジュアルの雰囲気。匂いも初日に見た店よりマイルドな気がしたが、慣れか・・・? ウロウロするばかりで時間が過ぎていくのでとりあえず何か買うことに。夫は猪肉の串焼き、私は鶏皮にご飯を詰めて焼いたものとサトウキビジュースを買った。屋台のお兄ちゃんに「いくら?」と訊くと「?」という顔をされる。夫が横から「How much?」と訊いてくれる。サトウキビジュースは砂糖水のようなひたすらに甘い味がした。

 

時間が来たのでもとの交差点に戻る。横断歩道の前にまだ黄さんの車が停まっているが、なんやら警察っぽい人と話している。やっぱりあそこに停めっぱなしは怒られるだろう・・・と思いつつ車から少し離れたところで待っていると、話し合いの終わった黄さんは車を発進させてどこかへ行ってしまった。夫と2人で戸惑いつつ「ま、すぐ戻ってくるやろ」と待っているが10分たっても戻ってこない。黄さんの名刺に書いてあるケータイ番号、ラインに連絡をしても返答なし。ここ、ホテルからまあまあ遠いのだがどうすれば・・・?車に荷物ものせてるし・・・と焦りだした頃、黄さんの車が戻ってきた。「ケーサツに注意されてしまったのでちょっと移動してマシタ」。うん見てたよ。なんだか黄さんかなり顔が疲れている。お子さんもいらっしゃるのに、こんな遅い時間までたいへんな仕事だなあ。少し時間が押してしまったがホテルへ戻る。22時15分、ホテルに到着。黄さんにお礼を言って解散。1階のラウンジでは黒人の女の人が歌を歌っている。目が合うとにこっと笑ってくれる。ゆっくり聴きたかったがみんなクタクタなので、部屋に戻り、風呂に入ってすぐに寝る。とにかく濃い一日だった。

台湾旅行②

3月15日 2日目 AM

 

ひとりだけ6時に起きる。ブラインドをあげると外は曇り。窓ガラスに水滴がついていて、雨が降ったみたい。のんびりと洗面をし、7時に息子と夫を起こす。朝食をラウンジで食べるかみんなが使うレストランに行くか迷う。が、ラウンジの使える部屋に泊まれることもめったにないだろうということでラウンジに行くことにする。受付できかれると思うので、部屋の番号を覚える。「スリー、ファイブ、ワン、トゥー。」1フロア上の36階で降りて、ラウンジの入り口でお姉さんに部屋の番号を訊かれる。私が「スリーシックス・・・」と言いかけて夫が訂正する。3512。これすら言えないでどうして大学に入れたのだ?

ラウンジはこじんまりしていて、お金持ちそうな人がのんびりと朝食を食べていた。なんとなく、ひとりで来ているビジネスマンが多いような感じ。このホテルのあるエリアはビジネス街らしい。

メインの料理を注文できるとのことで、オムレツを頼む。エッグベネディクトと迷ったけど、オムレツがあると頼まずにはいられないのです。エッグベネディクトは明日にしよう。夫はワッフルを頼んでいた。

ビュッフェをとりに行く。サラダ、チーズ、いろんな種類のパン、フルーツ、点心、おかゆ。数は多いわけじゃないけど全部おいしそう。そして美しい。ホテルの朝食ビュッフェがめちゃくちゃ好きなので写真をたくさん撮る。食パンをトースターにいれてじっと待っていると、スタッフのお姉さんが「席までもっていくわよ」と言ってくれた。ここの女性スタッフはみんなきりっとして美しい。真っ赤な制服がとてもよく似合っている。

オムレツは、予想していたトロトロふわふわオムレツではなく、なんというか卵焼きっぽいやつだった。おいしくなくはない。ビュッフェでとってきたものは軒並みおいしかった。外資系のホテルの洗練された味。もちろん台湾は朝ごはんがおいしくて有名なことは知っているが、小さい子連れで朝から活動は厳しいので今回はホテルで済ませる。息子、ワッフルと果物をたくさん食べられてうれしそう。

 

食べ終えて部屋に戻る。エレベーターを待っていると、外国人に短く何かを話しかけられる。夫も短く応える。私はどちらも聞き取れず、「なんて?」ときいたら「Good morning だよ・・・」と呆れられる。「グッド モーニング って言われると思ってるやろ?」そのとおりです。

部屋に戻り、パソコンで仕事の少し長めのメールを返信したかったことを思いだす。さっきのラウンジでパソコン貸してくれるかも、と思いひとりでラウンジに戻ると、さっき受付にいたお姉さんが、あらさっきの・・・といった顔をする。「キャナイユーズ ラップトップ コンピュータ?」と訊くと、にこっと笑って私を席に座らせ、「ちょっと待っててね」というようなことを言ってどこかへ行った。英語、通じたな・・・としばし感動する。しばらくしてお姉さんがMacbookAirを持って戻ってきた。お礼を言い、gmailにログインしようとする。が、当たり前だが中国仕様のmac。@の出し方がわからない。なんとか探しあてログインするも、メール本文を打つ時点で、これは日本語入力できへんなと悟る。ものの3分で諦め、お姉さんにお礼を行ってmacを返し、すごすご部屋に引き返す。メールはスマホで返すことにした。

 

今日は14時から九份、十份に行くツアーを申し込んでいる。それまで時間があるので、歩いて10分くらいのところにある臨江街という市に行くことにする。ここは夜市が有名だけど昼も市が立っている。中華街みたいな華やかな雰囲気ではなく、地元の人が使う市場という感じ。夜はもっと派手みたい。鮮やかな色の果物がぎっしり並んだ店、生肉をでっかい包丁でぶった切って吊るしてる店、饅頭っぽいものを売ってる店が多い。魚もちょこちょこ売っている。服も売っている。そんなに広くない道にはまあまあの往来があって、その人混みの中をオートバイがブンブンいいながら通る。道の真ん中で、腕が肘あたりまでしかない上裸のおじさんが物乞いをしている。店の人と地元の人が、がなり合うような感じで話している。メインの通りから細い路地が伸びていて、そっちにも店がある。濁った水がところどころに溜まっている。息子にはこの市がどんな風に見えているんだろうか?

せっかくだしおみやげに何か買おうかなと思っていたけど、圧倒されてなにも買えなかった。売られてるものはパックになんか包まれていなくて、そのまま並べられたり吊るされたりしている。野菜や果物は見た目が悪いものも間引かれずに売られているし、肉は臓物っぽいものも並んでいる。多分衛生的ではないんだと思う。だから買いたくないということではなくて、なんというか売っている人も売られてるものも勢いがありすぎて怯んでしまった。日本での自分の生活が、いかにクリーンなところだけをきりとった世界なのか、みたいなことを考えてしまった。夫もあまりしゃべらず、お互い言葉少なに市を通り抜け、ぼーっとしながら別の道を通ってホテルに戻る。ホテルには無印良品が入っていて、日本と同じものが売られている。夏物のインナーを持ってきていなかったので買い足す。

 

部屋に戻ると息子が食べ散らかした果物類は回収されて、新しい果物にリセットされていた。ツアーに行く前に昼ごはんを食べたいが、外に食べにでる気力がない。とりあえず30分ほどベッドに横になる。息子はまたりんごを齧っている。

そういえばラウンジで軽食を食べれるってお姉さんが言ってたな、と思い出し、本日3回目のラウンジ。人はまばら。朝食の並んでいたところに、1口サイズのケーキ、サンドイッチ、スコーン、パンが並んでいる。アフタヌーンティーっていうやつだろうか。とても美しくおいしい。コーヒーと紅茶を頼み、お腹を満たす。息子、旅行中はジュースもお菓子も食べ放題で幸せそう。

台湾旅行①

3月14日

 3時半起床。昨夜は9時半に寝たけど興奮してあんまりちゃんと寝れなかった。旅行の前はいつもこうだ。ちゃちゃっと身支度をして、息子を起こす。4時半、戸締まりを確認して出発。車に乗って空港に向かう。今日から4日間、台湾に旅行に行く。車の中で息子は寝るかと思ったが、ずっと起きていた。私はなにか忘れてないかずっと不安。海外旅行はなんとなく相性が悪い。始めての海外旅行の北欧では財布をすられたし、2回目のヨーロッパの新婚旅行では空港でトラブって飛行機に乗れず(3時間後の便に変更できたけど)、3回目になるはずだった去年のハワイ旅行は直前に火山が噴火して結局行けなかった。今回もなにか起こるんじゃないかと不安。

5時半に空港に到着。即チェックイン。パスポートに問題はなかったようで一安心。荷物を預け、すぐに保安検査場で行く。これも特に問題なし。無事出国できるようでよかった。保安区域内にある六厘舎でつけ麺を食べる。さすがに朝6時半につけ麺を食べるのは人生で初めてだな。空港についたときは離陸まで2時間もあるなんて暇だと思ってたけど、食べ終わったらもう搭乗時間。真っ暗だった外はいつの間にか明るくなって、ピカピカの機体がオレンジの朝日に照らされている。デジカメを出して1枚目の写真を撮る。

 

離陸まで落ち着かなそうにしていた息子は、離陸した瞬間、本当に機体が陸から離れて上昇する30秒くらいですーっと寝てしまった。夫も寝ているし、私も寝ることにする。30分くらいして機内食が運ばれてきたので起きる。オムレツかヌードルかきかれて、中国だし麺かなと思ってとっさにヌードルと答えるが、さっき麺食ったばっかじゃんと思う。もう遅い。運ばれてきたのは海老あんかけ焼きそばだった。しょっぱくてほとんど残してしまう。息子の子供用機内食はラザニア。そっちのほうがおいしそうだった。起きた息子はベルトを嫌がり、何回も立ち上がろうとしたが100均で買っておいたシールブックや機内でもらったビニールの飛行機でごまかしごまかし、4時間のフライトはとりあえず何事もなく終了。11時半、台湾松山空港着。台湾は日本より1時間遅いので、時計を10時半に合わせる。

入国手続きを終えて荷物を受け取り、タクシー乗り場へ。空港スタッフ?らしき人がにこやかに誘導してくれる。運ちゃんに「シャングリ・ラホテル」と言うが通じない。こっちだと結構有名なホテルなんだけど、発音が悪いのか。バウチャーを見せると小さく「オケ」と言って走り出す。

 

初めてみる台湾の街路。タクシーと原チャがめちゃくちゃ多い。タクシーは全部黄色。道路には原チャが信号待ちするゾーンがある。運転はみんな概して荒い。タクシーやバスには聖闘士星矢のゲームの広告がバンバンうたれていた。流行ってるらしい。車用信号は、赤の残り時間が数字で表示されている。逆に歩行者用信号は青の残り時間が数字で表示される。青信号の表示は人がてくてく歩いていて、残り時間が少なくなると走り出す。かわいい。ピカピカの大都市にあるようなビルと、古びて黒ずんだ、耐震性はほとんどなさそうなビルが混在している。

松山空港台北市の中心北側にあり、南側にあるホテルまでは4キロ、タクシーで10分。175元だったから、日本円に換算すると600円ちょい。ちなみにタクシーの初乗りは70元、日本円で250円くらい。物価はそこまで安いと感じなかったけど、タクシーと電車賃はすごく安かった。電車もちょいちょい乗ったけど、タクシーの方が多く使った気がする。

ホテルに入るとスーツを来たお姉さんが”How are you?”とにこやかに話しかけてくる。「アイム・ファインサンキューアンデュー?」という返答がとっさに頭に浮かぶが、ちょっと馬鹿みたいじゃないかと思って何も言えずもじもじしてしまう。お姉さんが察して、”Good?”ときいてくれて、「うん、グッドグッド」と返事する。息子にミニオンズの棒付きキャンディーをくれた。

チェックインは夫に任せる。私はあまり英語がききとれないが、メガネのハキハキしたチャイニーズのお姉さんの説明を一応一緒にきく。今回のホテルは、シャングリ・ラ ファーイースタンプラザホテル。楽トラでパッケージだったのを適当に選んだ。部屋のランクも特に選択しなかったと思うのだけど、チェックインしたらちょっといいランクの部屋だった。飛行機でいうビジネスクラスみたいな感じ。専用のラウンジがあり、朝食、アフタヌーンティー、夕方のハッピーアワーはお酒とおつまみが無料で飲めるから「ぜひ行ってみてね」とのこと。(にこっと笑ってそんなニュアンスだった)近隣にある観光名所やシャトルバスの説明など。

まだ12時前なので荷物を預けるだけの予定だったけど、もう部屋に入れるとのこと。融通がきいてありがたい。35階の部屋へ。ちょっとびっくりするくらい広い。景色もばつぐんで台北101も見える。追加料金をとられたりしないか少し心配になる。ボーイさんからスナックや飲み物の説明。「これはフリー、これはチャージ」ひとつひとつ説明してくれる。「謝謝」とお礼をする。テーブルにウェルカムフルーツが置いてある。りんごとみかんと見慣れない緑の果物。グァバらしい。目を離すと息子はりんごをそのままかじっていた。夫、「昔はこういういい部屋やと追加料金とられるんちゃうか、って心配になったけど今はもうならへんな」と言う。

 

荷物を軽く整理して、昼ごはんを食べに街へ出る。気温は20度くらい。ちょっと暑いのでインナーを夏物に着替えていく。すこし湿度が高くて、沖縄っぽい雰囲気もある。南国の鳥の鳴き声がする。メインの通りでないところは基本的に歩道はなくて、路駐も多く、すれすれを結構なスピードで原チャや車が通る。みんな器用に止まったりすり抜けたりしながら歩いている。看板は漢字と英語が多いけど、時々日本語のものもある。なんでもない風景をカメラで撮る。

ガイドブックに載っていたホテルから一番近い店、明月湯包(ミンユエタンパオ)で昼食。ベタだけど、まずは小籠包を食べようと思って。蟹味噌小籠包(日本人に人気と書いてある)、棒餃子も頼む。それぞれ8個ずつ。オーダーは紙にチェックをつけて渡す方式。台湾の普段遣いのお店はこの形式が多いみたいだった。しばらくして、でっかい蒸籠がテーブルに並べられる。小皿に醤油とお酢?っぽい調味料を混ぜて、つけて食べる。食べ始めるとホールのおばちゃんがつかつかと近寄ってきて、無表情無言のまま蒸籠や小皿をちゃかちゃかと並べ直し、去っていった。食べやすいように並べ直してくれたっぽい。愛想はないが優しい。

食べていると入り口から日本人っぽい一行が入ってきた。慣れた様子で3人、と伝えて、隣のテーブルに座る。なんとはなしに見ていると、実家のお隣さんのNさん一家ということに気付いた。母からお隣さん一家も一日違いで台湾に行くときいてたけど、まさか初日に会えるとは。席を立ってNさん(お母さん)の肩をたたくとNさんは一瞬ぽかんとした顔で私を見て、「わっ、えっ、ほんとに!?」とびっくりされる。そりゃそうだ。娘さん2人もびっくりしている。写真を撮り、どこに行ったか、これからどこへ行くかなど一通り話し、Nさん一家は別の広い席が空いたとのことで移動していった。は~びっくりした。こんなことあるんだな。

 

次の目的地は誠品書店。店を出てタクシーを拾う。ちょっとボロいタクシーで不安になる。ガイドブックを見せてここに行きたいと地図を見せるが字が小さすぎて判別できない様子。スマホで検索して見せる。5分ほどで到着。でっかいビルの前でおろされる。台湾のおしゃれ書店といえば誠品、ということで来てみたが、実際は書店は1フロアで、誠品自体は大きなデパートみたいな感じ。1フロアずつ、「誠品美食」(これは食品フロア)みたいに「誠品○○」と名前がついている。3階が「誠品書店」。

本はもちろん中国語なので読んでもわからないんだけど、品揃えやディスプレイが素晴らしいということはわかる。夫はいつも本屋に行っても理工書が全然ないと嘆いているけど、ここは理工書も充実していた。息子が絵本コーナーに行きたいというので行く。まだ字が読めないから言葉が違っても関係ないんだな。絵本を眺めているとジャージを着たおばちゃんが来て、私と息子に中国語で話しかけてきた。何を言っているかわからなくてしどろもどろしていると、「ジャパニーズ?」と訊かれる。「イエス」というと「ハジメマシテ~」「コニチワ~」と言う。「ナンサイ?」と訊いて、息子が「2さい」と答えると、「オー!ユーアージーニアス!プリティ!ジーニアス!」と何度も褒めてくれる。息子に「謝謝って言うんだよ」と促し、息子がそう言うと、もっと喜んでくれる。

 

他のフロアも一通り見て、次の目的地へ移動。今度はメトロに乗る。市政府という駅で、日本のSUICAみたいなEASY CARDというのを買う。これを使うと運賃が2割引になる。最初に100元チャージすることになっていて、滞在中に使い切らずに持って帰ってしまったので多分損してるけど。

忠孝敦化駅で降りて、台湾のファッションストリート、東區(ドンチュー)へ。東京でいう裏原、日本で言う堀江っぽい雰囲気。夫の目当てはホテルV。addidas 、メゾンキツネみたいなやや高めのブランドの入ったセレクトショップ。建物も蔦が這ったビンテージ風でおしゃれ。

私はガイドブックに載っていた「CHILL」という服屋に行く。ベーシックカジュアルで、値段も1着3000円くらい。スタッフの女の子たちがみんなかわいく、手にとった服を「Try on!」と言って試着をすすめてくれるのでついつい着てしまう。そしてホイホイ買ってしまう。ネイビーのチェックのシャツと、カーキのスカート。チェックのシャツを指して「ホニャララホニャララ  Check please.」と言われるがわからず、チェック?とぽかんとしていると、女の子たちが服をよく見て調べているようなジェスチャーをする。あ、現品限りだからよく見てねってことか、と「あ、チェックね、わかった、オケオケ」と言って確認する。通じたようで女の子たちも笑っている。

 

買い物を終えると息子はベビーカーで寝ていたので、しばらくそのへんを散策する。スタイリッシュなカフェやセレクトショップがあり、臭豆腐の屋台が強烈な匂いを放っている。タピオカミルクの店におしゃれな若者が並び、定食屋の店先でおばちゃんが何かの具を薄っぺらい皮に包んでいる。色々なテイストの店が混在している。

夫が座って休みたいと言うので、場末っぽい雰囲気のある喫茶店に入る。店の半分は屋内、半分はテラスみたいな屋外。店の前に臭豆腐の屋台があって、外の席だと風向きによっては便所みたいな匂いがするので、屋内の席にする?と夫にきくが、「こういうくさい匂いの中でお茶をするのがいい」と言うのでそうする。実は私もそう思っていたのでうれしい。夫はレモンソーダ、私は白桃烏龍茶っぽいものを頼む。ジョッキで出てくる。この喫茶店がどれくらい場末感があるかというと、メニューの一番下に「店内でギャンブルをするな」と書いてあるくらい。夕飯まで3人で今日撮った写真をみたり、通りを眺めたり、臭豆腐くさいねと言い合ったり、ぼーっと過ごす。こういうなんでもない時間がいいな、旅は。

 

今日の晩は夕飯を予約しているので店に向かう。圍爐(ウェイルー)という白菜鍋のお店。吉本ばななさんがエッセイで書いていた。店内はきちんとしたレストランっぽい雰囲気で、クロスのかかった丸テーブルが並んでいる。席につくと、すぐに鍋がテーブルの真ん中に置かれた。しゃぶしゃぶ鍋の、真ん中が高くなっている形の巨大な鍋。白菜鍋は、ただの白菜ではなくて白菜のお漬物が煮込まれていて、他にも海老とか蟹が出汁用に入っている。凍み豆腐も入っている。別のテーブルに、ごまペースト、醤油、酢、いろんな種類の油、刻みネギ、刻みパクチーなど15種類くらい調味料が並んでいて、それを自分で好きにブレンドしてタレをつくリ、それにつけて食べる。とりあえずごまをメインに10種類くらい適当に混ぜて作った。お鍋は酸味がきいていて複雑な味がしてめっちゃおいしい。タレも適当に作ったにしてはかなりおいしい。ごまを多めにいれるのがコツとみた。夫とタレを交換すると、夫のはほぼ醤油味であんまりおいしくない。「なに混ぜたの?」ときいたら「よくわからんかったから醤油となんかもう1種類くらい」と言う。そりゃおいしくないわ。逆に私のタレを食べて「うわっなにこれうまい、俺のも作ってきて」というのでもうひとつ作る。追加で牛肉とラム肉、豆苗を頼む。どれもおいしい・・・。なんだか朝から活動して疲れてきたのでお酒は飲まず、ささっと1時間くらいで食べ終わり、タクシーを拾ってホテルに戻る。

 

実は夕飯のお店に入る前から若干頭痛がしていたが、タクシーに乗っている間になんだか吐き気もしてきた。やめてくれまだ初日だよ・・・こういうのは口に出すとますます具合が悪くなるので黙っていようかと思ったけど夫に「気持ち悪い、頭も痛い」と言う。心配して、「しんどかったら明日のツアーはキャンセルしてホテルで寝てたらいい」と言ってくれる。優しい。私は昔沖縄で風邪を引いた夫をダイビングにつれていったのに・・・。部屋についてすぐにトイレにかけこむ。少し吐く。さっきのおいしかったタレが出てきた。念の為持ってきた頭痛薬を飲んで寝る。1時間くらいして起きると、気分はかなりマシになっていた。風邪ではなくただの疲れだったみたい。よかった。お風呂に入ることにする。湯船の横にでっかい窓があり、台北101と夜景が見えるが、コンタクトを外しているのでぼやぼやとしか見えない。明日はコンタクトしたまま入ろうと思う。ツイッターをチェックして10時半に就寝。

2019年2月

もう3月! 1月も一瞬で終わった感あったけど2月はさらにその倍くらいのはやさで終わった。そして半分くらいは息子か私が体調を崩していた。2月の頭に息子が風邪。インフルではなかったが、5日くらいダラダラと熱が続き、咳もかなりひどかった。普段は少食の大人くらいは食べるのに1日にバナナ1本とかで、みるみるやせ細り、ぽっちゃりとしていた顎がシュッとして、少年ぽさが増した。病気の子どもと家に籠もって暮らすというのはこちらもかなりメンタルが削られるということがわかった。専業主婦なのだからひとりで看病をがんばるべきでは?と思わなくもなかったが、夫にもはやく帰ってきてもらったり、午前中は家にいてもらったりした。夫がそういう働き方をしていて心底ありがたいと思った。1週間もひきこもっているとさすがに普段制限しているテレビも見せざるを得ず、1日にアンパンマンを10話くらい見る日々だった。

やっと治ったかと思いきや、翌週は夜中にベッドの上で派手に嘔吐。シーツ、ベッドパッド、敷毛布、かけ布団のシーツ、かけ毛布、あらゆるリネン類がやられてしまい、夜中に何回も洗濯機を回し、物干し竿も足りないので椅子などを使ってなんとか1日で洗い終えた・・・。朝になると今度は下痢をしていて、ひえ~~また洗濯・・・子どもが2人同時に風邪ひいたりしたらどうなっちゃうんだ?

 

そんな感じで3連休もどこにも行けなさそうだったので、金曜日に夫にipad proを買ってきてもらった。少し前に家電量販店でアップルペンシルを試したら秒でほしくなってしまったので・・・。新しいおもちゃが来たぞー!という感じ。夫は特に喜んでいて、PCでyoutubeの講座を見ながらipadでノートをとって勉強している。家にある勉強用のごつい本達もデータにしてipadにいれるらしい。私はペンでお絵かきしたり、メモをとったり、primevideoをいれてドラマや映画を見たりしている。そんなのiphoneとかテレビでできるじゃんって感じだけど、アップルペンのあの書き心地は中毒性があるし、プレステを起動してprimevideoを立ち上げるよりずっと手軽で画面のサイズもいい感じなのです。調べ物にもちょうどいい。

 

1月末に急に舞い込んだ仕事のために、保育園を探し、認可外だけどぎりぎり滑り込みで確保できた。探したり申請したりもっとたいへんかと思ったけど、そもそも近場で認可外で枠があいてるところなんてほぼ一択で、あっさり決まった。認可はもっとたいへんなのでしょう。まだ認可の見学は行ってないけども、そもそも保育料も全然違うということもないし、今のところが気に入ったらずっとここでもいいのかなとも思う。少人数だし。

保育園と仕事の本格復帰については、なんとなく自分の納得いくタイミングで決まって本当によかった。仕事を続けるのであれば、多分生まれてすぐくらいから見学したりなんやかやせねばならんことは知っていたけど、そもそも仕事を続けたいのか、子どもを預けても自分は不安にならないのかよくわからないまま決めたくなかった。自分がそうしたいタイミングが来てから決めたかった。まあ保育園落ちたにほんしねみたいなご時世にそんなわがままが通用するわけはないので、無理だったらそれはそれでいいやとは思っていたし、どうしても働かねばならない事情がある人が預けられないような謎なシステムにのっかるのもいやだなとも思っていたのです。

ちなみに0歳とか1歳から預けることがかわいそうかどうかみたいな議論はナンセンスだと思う、そんなの子どもにきいてみないとわからないし、子どもは正確に意思表明できないじゃん・・・。ただ、「小さい時のことは覚えてないからかわいそうじゃないよ!大丈夫!」みたいなのは賛同できかねる。覚えてなきゃなにしてもいいのかいなと思う。預ける必要性があるならば、できるだけみんなが納得して楽しく暮らせる方法を各々の家庭で模索する、というそれだけなのでは?かわいそうとかかわいそうじゃないとかは、他人がどうこういうものではなかろう、と思う。

しかしこんなことをつらつらと書いている現在、お仕事の内情がごたごたしており、もしかするとごめんなかったことに!みたいな可能性もある・・・まあそれはそれで・・・こちらがやることはもうやったしな・・・。

 

それから、2月はとりあえず全体的にだるかった。だいたいこの時期はもう冬期鬱みたいになっていて、身体は寒さで凝り固まってガチガチ、何をする気にもなれず、不調がピーク。なので思い切って銭湯へかけこみ、サウナでガンガンに汗をかき、交互浴(お湯であったまってから水風呂に浸かるのを繰り返す)をして、風呂上がりにお酢をのんだらてきめんに効いた。本当にあれを境に切り替わった感じ。月1で行けばいいことはわかっているが面倒・・・家からチャリで5分なのに・・・。

 

うちでは月に1日ずつ私と夫それぞれにオフの日があり、終日フリーという制度がある。2月は後輩と銀座に蟹を食べに行ってきた。私も後輩もとにかく蟹が好きで、会うと蟹を食べに日本海側に行きたいと言っている。今期はお互いまだカニ旅行は行っていないので、代わりに蟹専門の料亭のランチへ行こうということに。後輩は蟹の香りの邪魔にならないよう、手がカサカサだったけどハンドクリームを塗るのを我慢しましたと言っており、なかなかに狂ってるなと思った。蟹刺し、茹で蟹、甲羅焼き、焼きガニ、蟹茶漬け、一通り堪能した。蟹ってなんでこんなに・・・こう、幸せ物質がぶしゅぶしゅ出てくるんだ?シャブか? その後ネイルとか岩盤浴とかしようと言っていたのだけど、なんか意外とお腹に空きがあるねということになり、資生堂パーラーへ向かう。1時間待ち。子を預けて外出してる身には待ち時間がもったいないのでキルフェボンに向かう。まさかの2時間待ち。いつも思うが、銀座、お茶難民になりがち。結局三越ラデュレでお茶をした。始めて行ったが世界観がすごかった。これは・・・デートですらもったいない、女の子がフワフワとお茶をするための場所・・・百合の園だ・・・。マカロンカヌレもお茶も申し分なくおいしく、めっちゃ充実した一日であった。

 

そんな 感じの 2月でした。

2019年1月

2019年が始まってもう1ヶ月がたってしまった。うそでしょってくらいはやい。ほんと何もせずに1ヶ月終わってしまったんじゃないのか?典型的に年のはじめだけ日記やブログをかきたくなるタイプで去年もそうだったのですが書きたい気持ちのときくらいは書いておこうと思います。

 

正月は旅行に行きたいだのなんだの言って結局実家に帰った。その時のことは前の記事に書いたので割愛。息子も情緒が安定してきて、父母義父母に預けて夫とふたりで出かけられるのでうれしかった。やっぱり実家が近いのいいよな~と思いつつ、口を出されるのも面倒なので横浜でのんびり暮らすのも悪くない。

 

自宅に帰ってから、息子がわかりやすく暴君になってしまった。これまでめちゃくちゃおとなしいききわけのいい子だったのが、奇声をあげる、こっちが折れるまでわがままを言う、ものを投げる、言ってもきかないなどザ・こどもという感じで、そっちの方が普通なんだろうけど帰ってしばらくはちょっときつかった。まあききわけが良すぎるのも心配なのでこれはこれでといった具合です。まあ、実際はいらっとしちゃうけども。

 

それから急に引っ越し欲がわいてきて、井の頭線沿線でいくつか物件を探して内見を申し込んだのだけど、なんとなく予定が合わず、一番見たかった物件もなぜか見れなくなってしまい、結局なにもせず終わった。私は小さい頃に武蔵境に住んでいたので、あの辺りののどかな空気は体感として覚えていて、いつかまた住んでみたいと思っているのだけども。それとは別に近所で戸建ての完成見学会をやっていたのを見に行った。戸建てはやっぱええな、自由やな、と土地の相場など見始めたりもしたけど、結局買う気持ちにはならない。おそらく何十年みたいなスパンで物事が決まっているのが苦手なせい。もうしばらくこの家に住むのかなと思っていた矢先に最近引っ越してきた下の住人から息子の足音がうるさいと管理会社経由でクレームが来てしまった。クレームを受けた日はすぐにでも引っ越したいと思い、再びスーモで物件を探して夫に送りつけたりしていたが、こんなことですごすご出ていくのもあほらしいのでとりあえず防音マットを買った。2万円した。1万円くらい下の人に払ってもらいたい気持ち。

 

もうすぐ確定申告の時期なので早々にとりかかり、ほぼほぼ終わっている。が、なにせ初めてなので合ってるのか合ってないのかわからない。まあしかし、金額をあわせたりちまちま入力する作業が私は大好きなんだなーと改めて思う。では嫌いな仕事はなにかというと、新規プロジェクトを立ち上げるなどクリエイティブな仕事。ずっとルーティンワークをしていたい。今年はぼちぼち仕事も増やしたいな~と思っていたら、友人から一緒に働いてくれないかとお誘いを受けた。もちろんお引き受けしたいところだけど、息子の預け先を探さねば。ちょうど保育園の一時応募結果が出たばかりで保育相談窓口はまったく電話がつながらず、自分で調べるしかない。二次募集も締め切りの日程的に難しそうだし、いったん認可外になるだろうか。今受けてる仕事も続けたいし、息子のリトミックも続けさせてあげたい、調整がめちゃくちゃたいへんそうだけど、なんとなくいいところに着地できるのでは、と思ったり、いやこんなブランクのある主婦がなんの役に立つのか・・・とネガティブになったりを1日に2回くらい繰り返している。

 

3連休に友人一家と千葉の富津にいちご狩りに行った。アクアラインで集合し、金谷というところで海鮮を堪能する。今どき珍しい、広い座敷にたくさんテーブルがあって、昭和の大食堂みたいな雰囲気。生簀に魚と貝がごっそり。アジフライ、たたき、鯵刺、鯵のにぎり、穴子丼、浜焼きを頼んだ。それから近くのガチの古民家カフェでおいしいコーヒーを飲みながら休憩。コーヒーへの情熱がガチのガチ、これは完全に最強オタクってレベルでおもしろかったし、店もこういうの、他で絶対真似できないしダメなほうのヤバイと紙一重の雰囲気でめちゃおもしろかった。ここまで昭和を極めてるお店、もう絶滅危惧種でしょう。ここのために富津まで来てもいいくらいだった。そこからイチゴ農園に移動し、3人で50個くらいイチゴを食べた。息子はセーターをイチゴの汁で真っ赤にしていた。予想できただろうになぜ白いセーターを着せてきたのか。渋滞のアクアラインを尿意限界で突破し、羽田空港つるとんたんでうどんを食べて解散。多分来年も行く。

 

夫とは概ね仲良くやっている。夫はここ半年くらいファッションに夢中で、いつもユニクロに行きたがっている。ユニクロUの発売日と新作もチェックしている。彼は金銭感覚が割と狂っているので、ほっておくと無限に買い物をしてしまう。なので服を買うのは月2万までとしている。本当はもっと使わせてあげたいが仕方ない。月に4万ゲーム課金をしていて5000円くらいかと思ってたと本気で宣う男である。

 

息子。息子は身長が伸びたらしい。毎日見ているとわからないけど、よく言われる。ごはんもよく食べるし、最近は会話ができるのでおもしろい。突拍子もない返答がかえってくると、こういうのどこで覚えるのかな~と思う。最近は数字に興味があるのか、よく時間を気にしたり、これにひゃくえん?ときいたりする。週に一度のグループ保育はかなり慣れたようで、積極的に輪に入っていっているとのこと。あとは、お散歩が大好きだそう。私はなかなか腰が重いので(寒い・・・)、週に一度でも思いっきり外で遊ばせてもらえてたいへんありがたい。

 

以上、ここ最近のこと。