お産のこと

とりあえず記録しておこうと思う。
長いです。

6月7日
夕方からおしるしが出始める。腹痛もあり。

6月8日
3時頃からお腹が30分おきに痛い。「陣痛かも」と夫氏に言うと、ガバッと起きて「どうする!?」と慌てるので、とりあえず朝まで待つよ、と言って寝る。明日は朝から検診なので。

6時半、病院に電話して状況を話したところ、入院ですぐに必要になるものを準備してきてほしいとのこと。
用意して、陣痛タクシーを呼んで病院へ行く。陣痛間隔20分くらい。
8時半からの予約で、夫さんには入院になったときに来てもらえるよう家で待機してもらってたのだけど、診察の前にNSTもあったりでなかなか結論が出ない。でも、初産婦だしお産がすすむのに時間がかかるので、すぐには入院にならないと思う、と朝の電話で言われていたし、とりあえず出勤してもらうよう伝える。
そのあと診察してもらったところ、子宮口が4センチ開いてるということで入院になり、慌てて夫さんに連絡。会社についたばかりのところをまた帰宅してもらう。

陣痛室というところに通され、ピンクの病院着に着替える。陣痛は20分おき、生理痛のちょっと強いくらい。持ってきた本を読んだり、ごはんを食べたりして過ごす。
個室ではなく、カーテンで仕切られた部屋がいくつかと、分娩室がある。私の他にもう一人いるようで、「痛い、痛い」と苦しそうな声がきこえる。

昼過ぎ、夫さん到着。手持ち無沙汰そうに本を読んでいる。
15時頃、お産をすすめるために散歩してくるように言われたので、2人で院内をうろうろする。気がつくと間隔は10分おきくらい、痛みは立ち止まらないとやり過ごせないくらいになっている。立ち止まって休みながら30分散歩。
今のうちに食べたり飲んだりしといたほうがいいとのことで、おにぎりやパンを食べる。最初に痛がっていた妊婦さんが無事出産したようで、赤ちゃんの鳴き声がきこえる。
この辺から陣痛がまあまあ強くなってくる。座禅スタイルで呼吸をして耐えていた。とにかく深呼吸をすること、と助産師の知り合いにも言われていたので、痛くても声は出さず呼吸に集中する。陣痛の合間にはうとうとする。
19時頃、また一人陣痛室に妊婦さんが来る。この人はあっという間に痛みがピークになり、めちゃくちゃ叫んでいた。分娩室にうつってからもすごくて、助産師さんの指示のどなり声と絶叫が響き渡っていたけど、無事うまれていた。先をこされてしまった。

それからひたすら陣痛に耐えること6時間。横向きになってベッドの柵につかまりながら耐えるスタイル+夫さんに腰をマッサージしてもらう。
1時半頃、かなり痛いのが3分間隔くらいになり、いつまで続くんだろうと思って心が折れそうになる。少し泣き、夫さんが励ましてくれる。

2時すぎ、いきみ逃しというものがくる、これがめちゃくちゃしんどかった。仕組みはよくわからないのだけど、まだ赤ちゃんが降りてきてない状況でいきむと赤ちゃんに酸素がまわらなくなって危険になるので、いきんではいけないらしい。でも容赦なくなにかが出てくる感覚が襲ってきて、痛みとは別の次元でつらくて、頭が真っ白になり、勝手に呻き声がでる。とにかくはやく出してしまいたいけど、まだ我慢するようにいわれる。地獄。
確かこの辺の内診で破水。じゃばじゃばとあたたかい水が流れ出る。もうベッドは汗と羊水でえらいことになっていたけど、そんなことを気にしている余裕はない。出産必需品ということで買っておいたテニスボールで思いきり肛門のあたりをおしてもらう。とにかくつらい。はやく分娩室にいきたくて何回もナースコールをするも、超さばさば系の助産師さん、顔色ひとつ変えずにまだ我慢してと言う。2時40分、あと10分したら分娩室にいくと言われる。10分たつ。助産師さん迎えにこない。3時、またナースコールしていつ分娩室に行けるかきくと、まだ赤ちゃんが降りてきてないから30分くらいといわれる。本気で卒倒しそうになる。ここからの30分は一番つらくて意識が朦朧としていた。
3時半、分娩室に移動。やっと…!分娩台に座り、助産師さんにリードされながらいきむ。陣痛の波で2回深呼吸、息をとめて思いきりいきむ、もう一度すぐに呼吸していきむ→ゆっくり息をはいて次の陣痛を待つ、の繰り返し。夫さんは後ろに立って、いきむ間頭を支えててくれる。それを5回くらい繰り返したところで、股に何かがはさまった感じがする。あ、頭だこれ…。めちゃくちゃ股がひきつれてる感覚で、これはやいとこ出さないとやばいと思い、全力でいきむ。そこから2回くらいいきんだところでずるっと何かが出た。あ、と思う間も無く「うまれるよー」と言われ、ずるずるっと股から赤黒いものが出てきて、泣き声がきこえた。6月9日の3時54分。
正直、え、もう出てきたの?という感じで、呆然としてしまった。絶対泣くと思ったんだけど、泣かなかった。夫さんもびっくりしてるようだった。
胸に赤ちゃんをのせてもらう。あったかくて、息をしている。かわいいとかはまだよくわからない。

落ち着いたところで、股が裂けてるので縫いましょうねーと言われる。自分では裂けてない!やった!と思ってたのでビビる。陣痛の痛みで気付かなかったらしい。自然治癒とかないですか、とか、痛いですよね、とか、ちょっと待ってください、などと言って抵抗を試みるも却下され、美人のお医者さんなのか助産師さんかに麻酔をうたれ(痛い)、ちくちくと縫われる(痛い)。ここが地味に痛かったな…。

そのあとは2時間分娩室で休息ということで、生まれたばかりの息子を胸の上にのせて、夫さんと3人で過ごす。話したり、写真をとってもらったり、カロリーメイトを食べたりする。

息子は3495gでうまれてきたそうだ。でかい。
とにかく疲れた、痛かった、けど終わった。無事にうまれてきてくれて、本当によかった。