冷蔵庫と洗濯機を買った話(購入編)

冷蔵庫と洗濯機を買った。

色々理由はつけられるけど、そんなのは後付けで、完全に勢いと欲望のままに購入した。

 

今まで使っていた冷蔵庫は、結婚して二人暮らしを始めたタイミングで夫の先輩が離婚し、ファミリー用の冷蔵庫が不要になったとのことで譲ってもらったものだった。普通に縁起悪い感じするが、引っ越しやら結婚式の準備やらで節約したかったのでありがたく頂戴した。

新居に運ばれてきた冷蔵庫は、それはそれは汚くて、やっぱり新しいのほしい・・・と思いつつ、100均でメラミンスポンジとアルコール除菌スプレーを買ってきて、夫とふたりでゴシゴシ磨いた。野菜くず、髪の毛、油のべたつき、シールをはがした跡、そんなあらゆる汚れがこびりついていた。がんばって汚れはとれたが、臭いもすごくて、再び100均に走って脱臭炭を買い、1ヶ月ほどいれておいたらようやく臭いも気にならなくなった。

息子が生まれるまでは仕事をバリバリやってたので、料理も週の半分すればいい方で、冷蔵庫の中には賞味期限がきれたものや腐りかけたり、ひなびた野菜が常時入っていた。

息子が生まれて冷蔵庫がフル稼働するようになると、とたんに新しい冷蔵庫がほしくなった。7daysパーシャルの西島秀俊を見てはうっとりし、杏ちゃんと若林のCMを見ては「ニクいな~」と思ったりした。

が、正直冷凍保存や作り置きをまめにやるわけでもなく、完全にオーバースペックなのはわかりきっていた。それにうちの台所が狭すぎて、そもそも設置できるサイズで価格コムの検索をかけるとヒットするのが4件、とかだった。希望スペックもいれたら0件。

定期的に(ボーナスでたときとか)冷蔵庫を買い換えるぞ!→価格コム検索→うちにぴったりの冷蔵庫などないのだ・・・を繰り返して3年がたった。

 

 

その日、夫と私と息子は郊外にあるラーメン屋に車で向かっていた。久しぶりに洗濯機のカビ取りをしたら何回とってもカビが浮いてきた、しかもずっと雨続きで(その日も雨だった)部屋干しにもうんざりしている、全然乾かないし、生乾きみたいな臭いもする、という話を夫としていた。そこからふと、洗濯物を干すのに年間どれくらいの時間がかかってるんだろう?と疑問に思い、計算してみた。

1日に10分洗濯物を干すのに費やしているとすると、

 

10分✕365日=3650分=60.8時間=2.5日

 

1年のうち、2日半洗濯物干してんの!?やばくない?時間のロスやばすぎない??

私も仕事を始めてとにかく時間がないので、手間はとにかく金とテクノロジーで解決したい。乾燥機だ!ドラム式洗濯機だ!!

夫はテクノロジーとか新製品大好き人間なので全く反対せず、買おう買おうということになったが、私がややテンション高めに

「なんなら冷蔵庫も買おう!今日買おう!ラーメン食べたら買いに行こう!」というと

「えっ・・・下調べとかしないの?」とやや怯んだ顔をした。

が、こういうのは勢いが大事。下調べなんて(冷蔵庫に関しては)もうさんざんしてきて、自分の理想にぴったりのものなどないということがわかっている。とにかく買う。今日決める。

 

ラーメンを食べ終え、さっそく近くの家電量販店を探す。いくつかあるが、なんとなく信頼しているヤマダ電機に行く。ここのヤマダは行ったことないけど、Googleマップで見た感じでかそうだし、きっと気に入るものがあるだろう。

行ってみると、その巨大なヤマダ電機の広大なフロアは、1階の半分が日用品売り場、残りの半分が家電コーナーだった。雨のせいもあるだろうけど、全体的に人はまばらで、店員もひまそうにうろうろしている。気持ちがしぼみかけるが、絶対に今日買うという強い意志をもって冷蔵庫売り場に行く。

 

あてもなく見ていると、実直そうな店員が話しかけてくる。どんなのをお探しですか?と聞かれたので「450L前後、奥行き60cm、幅65cm以内のもの」と伝えると、「そのサイズですと、この3つくらいですかね・・・」と提案される。早々に3つに絞られてしまった。

A:日立の最新(30万)、B:日立の型落ち(18万)、C:シャープの型落ち(20万)。

どれもそれぞれに機能的で、ピカピカしてて、素晴らしい。が、なんか刺さらない。端的に言えば色がベージュとかグレーで気に入らない。というささってないオーラがにじみ出ていたのか、店員さんが「これは幅は少しサイズオーバーなんですけど・・・」と言って別のパナソニックの冷蔵庫を指した。パールのかかったおしゃれな白。店員さん曰く、中の棚板が強化ガラスなので頑丈、明かりがサイドにもついているので中が見やすい、野菜室や冷凍室の引き戸が軽い力で開くように作られている、らしく、その部分がめちゃくちゃささったわけではないが、初対面だけどこの人気が合いそう、みたいな感じで、「これにします」と即決していた。幅はサイズオーバーしてるけど、まあなんとかなるだろう。ならなかったら、最悪設置のときにキャンセルしてもいいらしい。

店員さんが「わかりました、価格下げれるか見てきますね」と立ち去ろうとするので、「あっ、洗濯機も買います」とひきとめる。そのままその店員さんが洗濯機もアテンドしてくれるらしい。名札に「白物担当」と書いてある。「洗濯機はどんなのをご希望ですか?」と聞かれたので、「乾燥機付きのドラム式、20万以下で」と答える。

シャープと日立とパナソニックの3つの機種をそれぞれ説明してもらう。冷蔵庫のときはほぼ無関心だった夫は、ややファッションオタクなので「服がいたまないかどうか」をしきりに気にしている。

最終的にA:日立 B:パナソニック C:パナソニック上位機種 に絞る。

AとBは税込み20万をきるが、Cは税込みだと20万を超える。が、Cは洗剤と柔軟剤自動投入がついている。洗う水の温度設定もできる。BとCの差は3万くらい。

自動投入か~。どう思う?別になくても困らんよなあ。と夫に聞くと、そういう新しい機能は試してみるのが良い、と言うので、Aに決定する。

見積もりに行っていた店員に「Aににします」というと、「えっ、あ、そうですか。わかりました」とやや拍子抜けした様子。(Aはあわよくば的に提案していたのだと思う)

今使ってるものの引取や、設置日、保証などの話を終え、帰路につく。帰りの道中、「買っちゃったね、勢いで」「勢いはだいじだね」「持ち越したら多分買わないよしばらく」と言い合う。夫は「大きい買い物すると気分ええな」と宣い、私は「冷蔵庫はお下がり6年使ったし」「乾燥機あったほうが、シーツとかもたくさん洗濯できるし、時間の節約にもなるし」と買う正当性を説明する理由を必死で並べている。