断乳をしようとして結局しなかった話
ここのところ大騒ぎしていた断乳のことです。長い。
1月16日(火)
朝から息子が何度もおっぱいを欲しがり、ひどくイライラする。「さっきあげたでしょ」と言っても「パイ!パイ!」と連呼しながら泣き叫ぶのでこちらも怒鳴ってしまう。私は同じことを繰り返し言われるのがすごく苦手。12時前に息子が昼寝をする。へとへとになりながら昼食の準備をしているとき、ふいに「息子がかわいそうだ」という気持ちになる。息子はおっぱいが欲しいだけで、欲しいと訴えているだけなのに、私が勝手にイライラして怒っている。大らかなお母さんなら、こんなことで怒ったりしないんだろう。なんで自分はそんな風にできないのだろう。私のところに生まれてきてしまって、息子がかわいそう。そう思って台所で泣く。
息子がおっぱいをせがむとまたイライラしてしまいそうなので図書館に行く。が、図書館についてもさっそくせがまれ仕方なく授乳。しばらく息子を遊ばせて帰る。息子が帰るのをいやがり座り込んだり床に転がったりするのでまたうんざりする。ひっぱって連れて帰る。夫に連絡をしてはやく帰ってきてもらう。
1月17日(水)
朝から気分がどん底まで落ちている。夫が10時まで家にいてくれるとのことなので、息子の朝食など夫に任せて寝る。今思っていることをケータイのメモ帳に打ち込み、夫に送る。こんなことを書いた。
・おっぱいと言われるとイライラする
・イライラしておっぱいがほしいのかかまってほしいのか喉が渇いた、おなかがすいたのか判断できなくなる
・なにか考えようとしてもやる気がなくなる、ぼーっとして思考がすすまない
・イライラしていなくてもなにかのきっかけで爆発しそうになり、気分が安定しない
・爆発するのがこわいので息子と二人でいるのが不安
・泣き出すとさらに不安
・外に行ったり本を読む気持ちにならない
・外でもおっぱいと言われるのがしんどい
・外でぐずられたときにぼーっとしてしまう、置いていってしまおうかと思う
・息子のいる前でものにあたってしまう
・息子がかわいそうで涙が出る
・どうにかしたいけど人に相談する元気がない
・人に会うのが億劫
夫、シッターのサービスに登録してくれる。
出勤後、息子がベッドに来る。一緒に寝る。
12時に起きる。朝の気分の悪さがほぼ消えている。息子に対するイライラもかなり減った。午後は友人が来てくれて、いろいろ話をきいてもらう。夫は飲み会の予定だったけど、キャンセルして帰ってきてくれる。夕飯もお惣菜を買ってきてもらう。
1月18日(木)
断乳について調べる。夜間授乳がたいへんで、とか仕事に復帰するから、という人がほとんど。息子は昼間は何度も飲みたがるけど、夜は起きないのでがんばるべきなのだろうか。息子はこんなにおっぱいが好きなのに、私がしんどいというだけでとりあげてしまっていいのだろうか。できれば2歳まであげたかったな。色々もやもやと考える。でも最終的に、「イライラした気持ちで授乳しても意味ない」という意見をみて、そうだよな、と思い、授乳を決める。決めた瞬間肩の荷が下りたような気持ちになった。
「あと1週間でおっぱいバイバイなんだよ」と息子に話しかける。息子、わかっていないと思うけど、「うん」という。
1月25日(木)
この1週間、なるべく欲しがるだけ授乳をした。1日に何度か「あと◯日でおっぱいバイバイだよ」と言い聞かせもした。明後日の朝の授乳が最後。のに、私の気持ちがグラグラしている。夜、なんだか落ち着かないような、イライラした気持ちになる。
寝る前に、夫に「断乳、迷ってきた」と言う。「それは、なかのぴちゃんが決めたらいいんだよ」と言ってくれる。でも、決められる気がしない。息子が生まれて初めて授乳をした時のこと、ソファに座って「おっぱい!」と言う息子、おいしい?と聞くと目をぎゅっとつむってくれる息子、あげないと泣いてせがむ息子、いろんな姿が思い浮かんで、涙がとまらなくなる。断乳したくない、でも、先週みたいな状態になるのもこわい。決められないまま寝る。
1月26日(金)
やっぱり、断乳しよう、と思う。理由はわからないけど、なんとなくそう思う。最初の授乳で息子に「今日はたくさん、好きなだけ飲もうね、明日の朝飲んだら、おっぱいはアンパンマンになるんだよ」と言う。今日は寒いので、ずっと家にいて、たくさんおっぱいをあげようと思う。
断乳して3日目にマッサージを受けるといいと聞いたので、近所の母乳外来のある産婦人科に予約を取る。月曜日の11時半。これでいよいよ後戻りできない。
それでも気持ちが落ち着かず、ケータイで「断乳 さみしい」で検索する。みんなやっぱりさみしいんだな。森三中の大島さんが最後の授乳で号泣している写真を見て、泣いてしまう。授乳をしながら息子に話しかける。
「たくさんおっぱい飲んでくれてありがとうね。息子くんはおっぱい飲むのがすごく上手だったから、ママは痛いことがいっこもなかったよ。おっぱいはもうバイバイだけど、これからはごはんたくさん食べて大きくなるんだよ。ママもがんばってたくさんおいしいごはんつくるからね。おっぱいがなくなっても、ママとたくさんあっちゅー(息子はだっこをあっちゅーと言う)するから、さみしくないよ」
たくさん泣いて、言いたいことを言うとかなりすっきりした。
6時、9時、10時、12時、お昼ご飯をはさんで2時、3時、4時、6時、寝る前、今日は多分9回飲んだ。明日も午前中にまだ1回あるけど、寝る前の授乳は夫にムービーと写真を撮ってもらう。息子、おっぱいにバイバイと言って寝る。
断乳の経緯を記録しておこうとこの記事を書いている。涙が次から次に出てくる。ツイッターで友達が無理にしなくてもいいんだよと書いてくれる。「断乳 迷い」で調べると「迷うならすぐにしないほうがいい」という記事もある。
これを読んで断乳をやめることにしたのか、やめることにした後に読んだのか忘れてしまったけど、「授乳回数を減らす」という記事を読んだ。その記事に書いてあったことを要約すると
・1歳を過ぎてごはんをある程度食べているのなら、授乳は頻繁にしなくても大丈夫なはず
・こどもが泣いて授乳するを繰り返していると、1日のリズムがこどもにコントロールされることになる。それによって母親はイライラしてしまう。こどもも泣けばもらえると思ってしまう。
・リズムをつくって1日3~4回の授乳にすることは可能。最初はたいへんかもしれないけれど、慣れればできる。
なるほどな、と思った。今は確かに要求されればあげる、あげなくてはならないと思っていて、そのことがとてもストレスになっていた。あげたいのはやまやまだけれど、あまりにも頻繁できつい。だからやめようと思っていた。でも、3~4回ならこちらもストレスなく授乳できるかもしれない。
断乳すると決めてからずっともやもやしていた気持ちがすーっと落ち着いた感じがした。そもそも、なんでこのまま続けるか、やめるかの2択になっていたんだろう。視野狭窄だ。
断乳するだの、やっぱりやめるだの、大騒ぎして恥ずかしいよね、と夫さんに言ったら、恥ずかしいことはないよ、そう決めたからって理由でそうするっていうのは思考停止してるのと同じだから、状況をみてやめることができるのはいいことなんだよ と言ってくれた。でも、そうやって迷う気持ちは俺にはよくわからない、授乳してる本人にしかわからないことなんだろうな、とも。
明日から、また授乳できるんだ、と久しぶりにうれしいような気持ちで眠りにつく。